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第7,8王朝(B.C.2181〜2060)

この時代はエジプト全土を支配するような王権は衰退し、各地で地方豪族達がそれぞれの地域を支配していた。この王朝は古王国時代の流れを汲みメンフィスで細々と続いていた。それも長期の政権はなくかなり混乱しており、建造物などもほとんど残っていない。


@ウアジカラー


即位名:ウアジカラー


即位名の意味は「栄えるのはラーの魂」。






Aカカラー


即位名:カカラー



誕生名:イビィ


即位名の意味は「強きものはラーの魂」。





Bその他

この時代の混乱状態を記載した文書が残っている。「イプエルの訓戒」というパピルスに書かれたもので、いかに無秩序状態だったかを詳細に記録している(成立年代は不詳、現存する最古のものは中王国時代に書かれた写本)。ただし欠落箇所が多く判読が難しい。

イプエルの訓戒

門番は掠奪に向かう。菓子職人や洗濯屋は自分の仕事をしない。至る所で野蛮人がエジプト人となっている。
本当にあちこちで悪事が行われ、略奪が行われた。ナイルが氾濫しても土地を耕すものはいない。みな「国が乱れても我関せず」と言う。盗人が富の所有者となり、金持ち、貴族達は略奪者となっている。貧乏人が財を成している。女達は妊娠せず、クヌム神(人間を創造する神)は人を創らない。死んでもミイラを作る材料も金もないため、多くの死人が川に流され埋葬されている。人はその川の水を飲まねばならない。貴族たちは嘆き、貧乏人は喜んでいる。国中に砂漠が広がり、荒れ果てている。高価な宝石は女中達の首を飾っている。笑いは消え、国中に不平と嘆きが広がっている。大人は「死んでしまいたい」と言い、子供は「産んでくれなければよかった」と言う。正義の名のもとに不正が蔓延している。旅人は荷物を奪われ、殺害された。
見よ、王が民衆によって廃された。国から王権が奪われてしまった。国の有力者達は王宮から追い出されている。何の財も持たなかった者が今は富の所有者となっている。ベッドの所有者だった者が地ベタに眠る。
このような状態は国として好ましくない。全ての小麦も鳥も魚も本来は王のものである。全ての物事は王の命によって行われるべきである。
かつてのようにピラミッドを建て、池が掘られ、神のために植樹がなされるならば、どんなに素晴らしいことだろう。王都の敵を滅ぼさなければならない。この状態を放置すべきではない。