★★スイスドイツ語★★

バーゼル、チューリッヒ、ベルンなどスイスのドイツ語圏で、実際に話されているのは「標準ドイツ語」ではなく、ドイツ語の方言にあたる「スイスドイツ語」です。これは標準ドイツ語とはかなり違っていて、ドイツ人にも最初は分からないそうです。そしてそれぞれの地域毎にも違いがあり、バーゼルのスイスドイツ語とその他の地域のスイスドイツ語では違うそうです。また、完全な「話し言葉」で、「読み書き」がなく、地域横断型の標準スイスドイツ語というものもないため、「スイス語」という「言語」にはなり得ない訳です(「方言」でしかない)。ということで言語としては標準ドイツ語を公用語として新聞、テレビ、各種書類等に使っていますが、話し言葉は各地域の方言ということになります。スイス人が赤ちゃんの時から聞いてる言葉(母語)は親が話すスイスドイツ語で、それを最初に覚え、小学校で「国語」として標準ドイツ語を習うそうですが、外国人が外国語として習う場合、スイスドイツ語を覚えてしまってから標準ドイツ語に矯正するのは大変で、順序としては標準ドイツ語をきちんとものにしてからスイスドイツ語に挑戦するのがよいようです。私は語学学校に行って標準ドイツ語を習いましたが、結局スイスドイツ語までは手を出しませんでした。スイス人の知り合いも外国人の私には標準ドイツ語で話すし、スイスドイツ語は読み書きがないため、直接話さない限り触れる機会がなく、覚え様がありません。学校の先生には10年位標準ドイツ語を勉強してからにしろと言われました。下手に手を出すと混乱してしまうようです。







★★語学学校探し★★

スイスに来て約1ヶ月が経過した頃、ドイツ語の学校を探しに行きました。知り合いから紹介された公立の学校を一つあたってみましたが、そこでは、ちょうど1週間前に新クラスが始まったところで、次の開始は3ヶ月後になるとのこと、途中からはクラスに入れてくれないということだっだので、そこはやめました。次に、街の中心部の広場近くにあった、SKKというドイツ語の学校に行ってみました。話をしてくれた担当の人はスイス人の女性で、英語がとても上手で全て英語で説明してくれました。まずはレベルチェックをして、ちょうどいいクラスがあるかどうか確かめるということで、ドイツ語の試験を受けました。日本で少し習った文法の部分と、簡単な語彙しか分からなかったのですが、少しは知識があるということで、2週間前から始まった初級クラスに入れてくれるということになりました。授業は毎日(土日・祝日を除く)8:30〜10:00の1時間半、その後自習室での自習が1時間半(部屋に先生が一人いて、生徒が各自宿題等をやって、分からないことを質問したりできる)、さらにマルチメディア学習(学習システムE-Lerningが出来ていて、PCルームか自宅インターネットでドイツ語の勉強が出来る。文法の確認や語彙の獲得等がメイン)を自由に出来るという感じです。費用は10週間で25万円位、その後10週毎に契約更新していきます。







★★カフェテリア★★

学校の2Fにはカフェテリアがありました。カフェテリアと言ってもコーヒーの自販機とテーブルと椅子がいくつか置いてある談話室です。授業の後とか、友達とおしゃべりしたり宿題やったり自由に使えました。







★★初級クラス-1★★

先生はサリー(スイス人女性)、生徒はジェニー(アメリカ人女性)、アデン(トルコ人男性)、エリック(オーストラリア人男性)、ジーナ(ブラジル人女性)と多国籍。色んな国の人がいてとても刺激を受けます。初心者クラスなので先生も丁寧に説明してくれました(ただし説明はドイツ語。少しだけ日本で勉強していたので何とか先生の言うことが分かりました)。若い先生だし、初心者クラスということもあり、無理なく和気アイアイといった感じで楽しいクラスでした。ジェニーやエリックとは、普段は英語で会話していたので、英語の練習にもなりました。この頃にはまだドイツ語だけで意思疎通は難しかったです。教科書は文法のテキスト、練習問題集2冊、語彙集の計4冊で持ち歩くのがかなり重たいです。毎日、宿題(練習問題など)が山程出ました。授業の後は、たいがいカフェテリアでコーヒーなどを飲んで一休みしてから、自習室でみんなで宿題をやってました。ほぼ午前中一杯は学校で過ごしていました。トルコ人のアデンは、すでにスイスで働いていて、スイスドイツ語が分かるのですが、標準ドイツ語に矯正するのが大変そうでした。スイスにトルコ人は沢山住んでおり、ケバブの店などもたくさんあります。アデンとジーナは英語は分からないそうで、そういう生徒もいるため、先生も英語はほとんど使いませんでした。ジーナはVISAの関係で途中でブラジルに一時帰国してしまいました。ドイツ語は英語よりも文法が複雑です。定冠詞、不定冠詞、形容詞、人称代名詞全て格変化があり、動詞は主語に応じて活用します。この辺が基礎の基礎。前置詞も使い方がとても複雑です。名詞に男性、女性、中性と3種類あり、語彙を覚えるときは同時に性もおぼえなければいけません。現在完了を少しやったところで10週間終了。ドイツ語では過去形は話し言葉では使いません。会話で過去の出来事を話す時は現在完了を使います(英語の現在完了とは概念が少し違う)。過去形は読み書きの場合のみ使用します。新聞や本などでは見られますが、日常生活で使う(話す)ことはあまりありません。







★★初級クラス-2★★

先生はハンス(ドイツ人男性)、生徒は初級クラス-1から引き続きのジェニーと、デヴィッド(アメリカ人男性)、メアリー(ロシア人女性)の計4名の少数クラスでした。先生は英語が出来るので、分かりにくいところとかは英語で説明してくれました。メアリーも英語は出来て、他2名はアメリカ人なので当然英語。ジェニーの英語はとても聞き取りやすいのですが、デヴィッドの英語はちょっと分かりにくかったです。ジェニーはカナダで英語の先生やってたということなので、発音もクリアーで分かりやすかったです。でもアメリカ人同士で話されると、速くて全然聞き取れません。アメリカ人二人は、先生に何か質問するときほとんど英語てしたが、私にとっては英語も外国語で、英語を話すにしても色々考えないと話せないので、同じ考えるならと質問は頑張ってドイツ語(カタコトだけど)でしていました。ジェニーはそれをとても感心していました「ちゃんとドイツ語で聞いてえら〜い!!」とか。ただ単に英語がそんなにスラスラしゃべれないからなんだけど。。。文法はどんどん難しくなり、このクラスでは従属節や接続詞の用法、関係代名詞などを中心に学びました。関係代名詞も英語に較べてかなり複雑です。







★★初級クラス-3★★

先生は引き続きハンス、生徒は初級クラス-2から引き続きのメアリーとエレナ(エチオピア人女性)というまたまた少人数。エレナはフランス育ちなのでフランス語が話せました。母語はエチオピア語で、エチオピアの公用語は英語ですが、彼女は英語は分からないそうです。先生はフランス語も分かるので、説明はドイツ語・英語・フランス語のMixとなり、頭の中はかなり混乱。エレナはスイス人と結婚していて子供が一人。時々スイスドイツ語が混じるので、余計に混乱しました。このクラスの前1ヶ月位お休みしていたので、その遅れを取り戻すため、宿題や自習を頑張って、なんとか授業について行けました。ドイツ語を習い始めて半年程経った頃、試験がありました。TOEICのような公的な試験でした。初級レベルの試験でリスニング、リーディングに加えてライティング(手紙を書く)とスピーキング(先生と会話する)がありました。どんな試験だかもよく分からずに受けたので、緊張もせずにまあまあの成績で合格しました。関係代名詞をやっていた時に、日本語にも関係代名詞はあるのかと聞かれ、「〜のところの」とか訳す場合はあるけど英語の「that」に当たるような明確に関係代名詞というものはないので、「そんなもの無い」と答えたところ、「関係代名詞がなくてどうやって文章を作るんだ!」と不思議がられました(ロシア語、フランス語にも関係代名詞はある)。西洋の言語とは文法が根本的に違うと言ったのですが、何となく釈然としないようでした。接続法第U式というドイツ語独特の分かりにくい文法を少しやったところで夏休みに突入。接続法はこの後も苦労の種となりました。。







★★中級クラス-1★★

夏休みに一時帰国した後に入ったクラスで、先生はローズ(ドイツ人女性)、生徒は初級クラスから一緒のメアリーの他、中国人、マレーシア人、コロンビア人、ロシア人の女性など8名程の大人数クラスでした。今までよりレベルが高く、全然ついていけませんでした。ローズはいい先生だけど、かなり厳しくて、噛み砕いて易しく説明してくれるタイプではありません。授業中辞書は使用禁止で、分からないことは全て質問しろと言われましたが、分からないことだらけで質問もままならなず、ちょうどやっていた文法も接続法第U式という非常に分かりにくいところで、頭の中は大混乱。私より少し前から参加していたメアリーが「ローズの授業は最初は難しいけどすぐ慣れるよ」と励ましてくれて、1週間頑張ってみましたが、やはりとてもついていけないため、学校に言って少し下のレベルのクラスに変えてもらいました。







★★中級クラス-2★★

先生はまたローズ、生徒は初級クラス-1で一緒だったジーナ(ブラジル人女性)、ジェフ(アルゼンチン人男性)、リーファ(中国人女性)、アンナ(スコットランド人女性)、ターニャ(ロシア人の女性)。このクラスで約半年と、これまでで一番長期間一緒に勉強することとなりました。そしてこの時期一番上達しました。先生は相変わらず厳しいのですが、生徒達が大体同じレベルだったこと、復習を兼ねて少し前の単元から参加したことで、今回のクラスは挫折せず続けることが出来ました。文法の全単元を終了後は、ZD(Zertifikat Deutch)という試験のための勉強となりました。ZDは初級クラス-3の時に受けた公的試験の中級版(日常会話レベル)でした。授業でスピーキングやライティングなど、試験の準備をじっくりしたので、受験した全員無事合格しました。ジェフはアルゼンチン人でアメリカ育ち、奥さんもアメリカ人。母語はスペイン語ですが、英語も当然ネイティブ並みでした。ラテン系のノリノリの明るく楽しいおじさんという感じ。リーファはとっても真面目な中国人。英語は出来ません。一人暮らしなので淋しいとよく言ってて、結局途中で中国に帰国してしまいました。ターニャはロシア人ですが出身はラトビア。ドイツ語ではLettlandといいますが、最初それがラトビアのことだと分からなくて、「それどこ?」とか聞いてしまいました。彼女はとにかく気が強くて自己中タイプ。特にジェフとそりが合わず、トラブルの種でした。ジェフが朝「おはよう〜」と入ってきても、彼女は絶対返事をしませんでした。ある時、授業中ジェフが先生に質問をしたのですが、とても初歩レベルの質問でした。ターニャはそれを聞いて「そんな質問Stuffe(単元)6レベルだわ」と吐き捨てるように言ってました。このときStuffe 30をやっていたのですが。。周りの私達の方がヒヤヒヤして聞いてました。ジェフは途中で契約満了となって辞めていったのですが、ターニャはそれを聞いては満面の笑みで「それはよかった」と言っていました。その後クラスは平和でした。。。この頃学校全体としても生徒数がかなり多く、授業後カフェテリアで雑談していると、色んな人が入ってきて、午後まで楽しく話していました。こうした雑談でも「話す」力がついていった気がします。







★★上級クラス★★

先生はシンディー(ドイツ人女性)、生徒は何人か入れ替わりもあったけど、最後まで一緒だったのがレナ(エジプト人女性)とメイ(中国人女性)でした。気が付くともう上級のクラスで、ZDの次の試験ZD-PLUS(仕事レベル) のためのクラスですが、この試験は、ZDよりもかなり難易度が高く、スピーキング試験ではディベートとプレゼンをやらなければいけません。10週間の契約でしたが、とても10週間では無理です。結局契約更新で計15週位授業を受けましたが、試験は受けませんでした。他の生徒達も試験を受けるためというより、学校でドイツ語を習うのが目的という感じだったので、先生ものんびり楽しく授業をしてました。シンディーはローズに比べると放任という感じで、例えば生徒が宿題をやってこなくても、それで困る(力がつかない)のは本人だからと別に怒りませんでした(ローズの場合、宿題をやってこなかったら激怒でした)。このクラスでは文法はもう全部終わっているので、新聞や本を読んだり、ディスカッションやプレゼンしたりと幅広くやってました。私がエジプト大好きなので、レナとはエジプトの話題でかなり盛り上りました。私の持っているアラビア語やヒエログリフ(古代エジプトの象形文字)の教科書を見せたら「日本人はみんなこんな勉強してるの?!」と大誤解をされてしまいました。私みたいのは特殊だと言っておきました。特にヒエログリフはエジプト人だって読めないですからビックリされました。エジプトに行った時の写真を見せたらすごく喜んでくれました。自分の国に関心を持ってくれるのは嬉しいことなんでしょう。







★★スピーキング試験★★

中級クラス-2終了後に受けたZertifikat Deutch(ZD)という試験では、スピーキング試験がありました。生徒が2人ペアで会話をし、試験監督の先生が採点します。問題の形式としては、@お互いに自己紹介をする、Aあるテーマについて書かれたプリントを渡されて、それについてディスカッションする、B旅行やパーティなどの計画を立てるという3種類。難しかったですが、ローズの厳しい指導のもと、事前にかなり練習をしてきたので、何とか無事に合格出来ました。ペアも事前に決めてくれていて、一番気の合うブラジル人のジーナと組むことになっていたのでやり易かったです。どんなテーマが出題されるか分からないのですが、過去の問題では、たいがい旅行のテーマが出ていたので、事前に打ち合わせをして、旅行だったら行き先はツェルマット、交通手段は電車とか決めておきました。その場で考えるより、ストーリーが決まっていた方がしゃべりやすいかなと思い、これが功を奏して落ち着いて話が出来ました。Aのディスカッションでは「都会に住むか田舎に住むか」というテーマでした。それぞれのメリット、デメリットなどをあげて(都会は便利、田舎は自然豊か、など)どちらがいいかディスカッションするというもので、2人とも同意見だと話を進めにくいので、わざと反対意見になるようにしました。学校内で実施してくれたし、先生も知ってる先生なので、それ程緊張せずに出来ました。







★★グリム童話★★

上級クラスの授業で、グリム童話をいくつか読みました。グリム兄弟はドイツ人。ブレーメンの音楽隊、白雪姫、シンデレラ、眠りの森の美女、赤ずきんちゃんなど、色々読みました。原文では結構残酷な場面が出てきますが、日本ではそういう場面はカットされてるようです。子供には良くないという判断なのでしょう。シンデレラでは、継母が自分の娘の足がガラスの靴より大きかったので、娘の踵を切ってしまい、靴の中が血だらけになったとか。先生に「子供向けの話なのに残酷」と言ったら「悪者の末路は悲惨だということを示すために残酷になっている」と言ってました。







★★桃太郎★★

グリム童話をたくさん読んだ後、自分の国の童話を一つ紹介しろという宿題が出ました。あまり長編じゃなく翻訳しやすい話をと思い、桃太郎を紹介しました。桃太郎が猿とキジと犬を従えて鬼が島に行くという所が、ブレーメンの音楽隊でロバが犬と鶏とネズミを誘ってブレーメンに向かうというシーンと似ているので、ボキャブラリーや構文など参考にしました。「鬼」は訳すと「Teufel」(英語のdevil)になってしまい、「悪魔」とはちょっと違うんだけどなと思いながら他に単語がないし、西洋の人にも理解出来るように「悪魔」でいきました。桃を割ったら中から桃太郎が生まれたというシーンで、シンディー(ドイツ人の先生)はちょっとビックリしてました。桃から人間が生まれるというのは、非常に奇異に感じるようでした。メイ(中国人の生徒)は、全部一緒ではないけど似た話が中国にもあると言ってました。桃太郎の作者は不明で口頭伝承の話らしく、日本だけじゃなくアジア圏の国で伝えられてるそうです。







★★象形文字★★

初級クラス-2での話、大英博物館で買った古代エジプトの象形文字(ヒエログリフ)の柄の鞄を持っていたら、ハンス(ドイツ人の先生)に「それは日本語?」と聞かれました。確かに漢字は象形文字の一種ですけど、ヒエログリフと日本語がゴッチャになるとはビックリ。まああちらの人にはどっちも意味不明な模様なんでしょう。







★★津波★★

津波のことは英語で「Tsunami」といい、日本語がそのまま使われていますが、ドイツ語でも同じく「Tsunami」といいます。津波という現象を表す単語がない(というより、もともとその地域にそうした現象がない)ので外国語を使っているということです。上級クラスで、自然災害のテーマの時、この単語がでてきました。授業で聞いた唯一の日本語でした。ホワイトボードに日本語で「津波」と書いてあげたら、とても喜ばれました。「nami」がドイツ語のWelle(英語のwave)を意味すると説明したら、興味津々で「じゃTsuは何?」と聞かれました。「津」は港、海岸を意味するそうで、沖合は静かなのに港付近だけ破壊される波という意味だそうです。







★★スペイン語普及率★★

スペイン語はスペインと中南米ほとんどの国の公用語です。ブラジルだけは南米でもポルトガル語ですが、スペイン語とポルトガル語はそっくりなので、片方が分かればもう片方もだいたい分かるそうです。そんなわけで、学校内では英語よりもスペイン語の方が通じるという感じでした。先生達も英語はもちろんフランス語、スペイン語位は分かるようでした。授業は基本的にドイツ語のみで行うわけですが、初級レベルの生徒の場合、どうしてもドイツ語のみでは難しい時もあり、先生も主要な言語を操れる必要があるようです。私も初級クラスの時は、どうしても分からないことは英語で聞いたりしてました。







★★日本人仲間★★

学校に行き始めて1年半位経った頃、日本人の生徒が相次いで3人程入学してきました。それまで学校内に日本人は私だけだったので、学校で日本語がしゃべれるなんて夢のようでした。クラスは違いましたが休み時間にカフェテリアで思いっ切り日本語で会話しました(それだけでストレス発散できます)。日本語なんて聞いたこともない人にはとっても物珍しいようでした。みんなでおしゃべりする時などは、全員が分かる言語を使うのがマナーということでドイツ語でした。







★★フォネティック(発音クラス)★★

ローズが講師で、1時間1000円程度で誰でも参加できる、発音矯正のためのクラスです。金曜日の午後にやってました。一応予約が必要で、参加希望者は掲示板に貼ってある参加者リストに名前を書き入れるというものでした。ここでは文法とか語彙とかはあまり関係なく、ひたすら発音の練習をします。様々な国籍の生徒がいるわけですが、発音の問題はそれぞれの母語によって違い、千差万別と言えます。日本語の場合、他の言語に比べて母音が少ないので、日本語にない母音を上手く発音出来なかったり、子音でも「L」と「R」の違いとか、日本語にない子音の音とか。アルファベットを使う国の場合、自分の言語での発音をひきずってしまいます(「Ich」:イッヒを英語圏の人は「イック」、スペイン語圏の人は「イッシュ」と読んでしまう)。先生はそれぞれの生徒の母語も考慮して細かく指導してくれます。でもやっぱり日本語に無い音を発音するのは難しいです。特に「R」の発音は何度やっても上手く出来ませんでした。。







★★会話クラス★★

フォネティックと同様1回1000円程度で、誰でも参加出来るフリートークのレッスンです。初級、中級、上級に分かれていて、自分のレベルにあったクラスに参加出来ます。上級クラスだとかなりしゃべれる生徒達が集まってくるので、相当積極的にしゃべらないと無言のまま1時間終わってしまうなんてことにもなりかねなくて、いつも中級クラスに出てました。毎回生徒も違うので、今まで会ったことのない人と話が出来て楽しかったです。和気あいあいと雑談するという感じで気楽な授業でした。







★★イベント-1(世界の料理)★★

学校では、毎月パーティなどのイベントが開催されて、生徒は誰でも参加出来ました。参加費は無料(授業料にイベント費用も含まれているらしい)で、ドイツ語をしゃべるいいチャンスということで色々参加しました。「世界の料理」は毎年3月頃開催されていました。生徒がそれぞれ自分の国の料理を作って持ってくる「持ち寄りパーティ」で、本当に色々な国の料理が食べられました。私はいつも和食として巻き寿司とおにぎりを持って行ってました。巻き寿司の具はスイスで何とか入手できるもので、カニカマ(中国食材店で購入)、きゅうり、卵焼き、ツナで、お米は一応日本米を使って酢飯を作りました。日本人が食べてもかなり美味しく出来ました。他の参加者の評判も上々で、おにぎりはイマイチ売れませんでしたが、お寿司は全て無くなりました。







★★イベント-2(バー・ルージュ)★★

バーゼルで(スイスで)一番高いビル(当時)30階建の最上階にあるバーでみんなで飲もうというもので、飲み代はさすがに実費で自己負担でした。スイスに高層ビルはほとんどないので、30階建程度でも相当めずらしいようでした。バーの内部は「赤」で統一されており、そのため「Bar Rouge(赤)」といいます。めずらしいのはおトイレで、壁がマジックミラー・ガラスになっていて、便座に座ると目の前が壁ではなくガラスで、素晴らしい眺望なのです。外からは見えないようですが、なんとなく落ち着かない感じでした。

 





★★イベント-3(博物館)★★

市内にあるアンティーク博物館にみんなで行きました。ちょうど古代エジプト特別展をやっていて、個人的に行こうと思っていたところでした(イベントで無料で行けてラッキーでした)。ドイツ語のガイド付きで展示を見て回るのですが、私は古代エジプトが大好きでかなり詳しいので、ガイドの話も何とか理解出来ましたが、同程度のドイツ語力の友達は「全然分からない」と言ってました。例えば古代エジプトは多神教で、いろんな神様がいて、それぞれ由来や役割があります。その辺の詳しい内容を知らないと、「太陽神ラーが空を巡って・・・」とかドイツ語で説明されても分からないかも知れないです。







★★イベント-4(人形博物館)★★

学校のすぐそばにある人形博物館Puppenhausmuseumにみんなで行きました。世界中の人形がたくさん集められていて、特にテディ・ベアのコレクションは世界一だそうです。日本の雛人形までありましたが、飾り方がヘンでした(三人官女と五人囃子がゴチャゴチャになってたり・・・)。ちなみにドイツ語でPuppeは人形のことです。







★★ボスニア・ヘルツェゴビナ★★

ユーゴ紛争の混乱後に独立した国で、首都はサラエボだってことくらいは何となく知ってました。ボスニア出身のサラは、初めて会った時まだ19才!クラスは違ったのですが、カフェテリアで雑談してる時によく入ってきて、おしゃべりしてました。18才で同じボスニア人の旦那様と結婚して、彼の住んでいるスイスに引っ越してきたそうです。とっても美人で独身の時にはモデルをやったことがあると言ってました。まだ若いのにとてもしっかりした明るい子でした。でも戦争でお父様や従兄弟達を亡くしているそうで、平和ボケした日本人にはそんな話を身近に聞くこともないので、どう反応していいか分かりませんでした。それでも本人はとにかく明るくて前向きでした。学校には来てましたがすでにドイツ語はかなりしゃべれていて、半年後にはスイスで仕事を見つけて学校を辞めていきました。彼女はイスラム教徒でしたが、お酒も飲んでたし、服装も派手で、へそ出しルックしたりしてて、中東のイスラム教徒とは大分違いました。ただ、やはり厳格なところがあって、旦那様の留守中に家に友達を呼ぶ場合、女性しかダメとか(みんなで遊びに行くとかでも男性が混ざっていたらいけないらしい)、独身時代にやっていたモデルも結婚したらダメとか。彼女の20歳の誕生日にパーティに招待されたのですが、ちょうどその時ラマダン(断食)の時期でした。彼女たちは「断食」はしないけど、その期間はアルコールは控えるそうで、その時はお酒なしのパーティでした。







★★結婚式★★

ブラジル人のジーナはスイス人の男性と一緒に暮らしていましたが、約1年後、正式に結婚しました。このような形式(結婚する前にしばらく同棲する)は、ヨーロッパでは普通です。逆に結婚してから一緒に暮らし始めるのは無謀だという考え方があり、結婚前に本当にこの人と一緒に暮らしていけるかどうか確かめるのだそうです。彼女の結婚式はブラジルとスイス両方で行われましたが、私が招待されたのは、バーゼル近郊の古城Schloss Wilderswillでの結婚披露パーティでした。日本の披露宴とは違って、簡単な立食パーティで、招待客は平服、新郎・新婦はウェディング姿でした。お城の中庭でパーティを行った後、お城の見学ツアーがありました。ドイツ語ガイド付きでお城を一周しました。

 






★★日本で英語は通じる?★★

上級クラスで生徒がそれぞれ自分の国を詳しく紹介するという授業があり、その時シンディー(ドイツ人の先生)に「日本に旅行に行くとしたら英語は通じるの?」と聞かれました。「ホテルや空港では通じるけど、他はあまり通じないと思う」と言ったら、「日本では英語を習わないの?」と聞かれ、「中学で3年、高校で3年、大学に行けば更に数年勉強する」と言ったら、目を真ん丸くして「何でそんなに勉強してるのにみんなしゃべれないの?」と言われてしまいました。。ドイツ人に言われたくないな〜と思いました。ドイツ語は英語とよく似ているし、文法は英語の方が簡単です。ドイツ語が母国語の人には英語なんて2〜3年勉強すればマスター出来るという感覚なのでしょう。「日本語と英語は全然違う種類の言語だし、日常あまり使う機会がないので、なかなかしゃべれるようにならない」と言ってみましたが、まだ釈然としないようでした。







★★地図帳大活躍★★

学校には世界中から生徒が来ています。自己紹介の時に「〜から来ました」と出身国を紹介するのですが、メジャーな国はまだしも、どこにあるのかよく知らない国、知ってそうで大まかな位置しか分からない国が結構ありました(マケドニア、キルギス、ウクライナ、アンゴラ、タンザニアなど)。そんな時役立ったのが中学で使った地図帳です(最新版を日本から持って行きました)。先生や他の生徒にも見せたりしましたが、みんなは日本語は読めないけど、地図の形は分かるのでなかなか好評でした。







★★宗教の話★★

授業中キリスト教の話題になった時に、ロシア人の友達に「日本人はカトリックとプロテスタントどっちなの?」と聞かれました。う〜ん、世界に宗教はその2つしかないと思ってるのかしら。。「キリスト教よりも仏教が多い」と言ったら「あ、そうだよね。ゴメン。」と納得してたので、ぱっと思いついたことを聞いただけのようでしたが、ヨーロッパに住んでると確かに仏教の影は薄いです。







★★漢字の威力★★

中級クラス-2で一緒だった中国人のリーファとは、どうしてもドイツ語だけで意思疎通が難しい時に、よく漢字で筆談してました。これがよく通じるので、「意味を持つ文字」は偉大だと思いました。まあ日本独自の漢字もありますし、それぞれ簡略文字もあるので、通じないこともありますが。独和辞典を見ても、漢字からある程度意味が分かると言ってました。







★★ワールドカップ★★

2006年のドイツ大会が、ちょうどスイス在住中に開催されました。あまり興味がなかったので、隣の国でやってるのに見に行ったりはしませんでしたが、先生(ドイツ人)が大のサッカー・ファンで毎日のようにサッカーの話題で盛り上ってました。サッカーのボキャブラリーをたくさん教わったので、テレビ中継のドイツ語の解説がよく分かるようになりました。この時は、日本は決勝トーナメントには行けませんでしたが、それでもワールドカップに出ているだけでも「今日は日本戦だね」とか言われたり、話題に事欠きませんでした。中国人の友達に「日本はいいね〜自分の国が出てるとより楽しめるよね。」と言われました。








★★ありがとう★★

ドイツ語「Danke」は「ありがとう」の意。日本語では何ていうのかと聞かれ「A-RI-GA-TO-U」と言ったら、スイス人の友達が「それじゃワニだ!」と言ったので、何のことかと思ったら、ドイツ語でワニのことは「Alligator」と言い、発音は「アリガトア」なのだそうです。英語では同じ綴りで「アリゲーター」と発音します。またフランス語の「ありがとう」であるMerciは、スイスのドイツ語圏でも普通に使われます。ドイツ語のDankeよりも気軽に使う感じです。丁寧に「どうもありがとうございます」と言う場合、フランス語だと「Merci beaucoup(メルシー・ボクゥ)」ですが、スイスではこの「beaucoup」は使わず、ドイツ語で同じ意味の「vielmal(たくさん)」をつけて「Merci vielmal」とフランス語とドイツ語のミックスで使います。学校でいつもの癖で「Merci」と言ってしまうと、先生に「Dankeでしょ」怒られます。その他、スイスでよく使うフランス語として「adeaux(アデュー)」があります。さようならという意味で、スイスでは「バイバイ」「またね」と言った感じの軽い挨拶として使いますが、フランス語本来の意味は「二度と会わない別れ」での「さようなら」です(亡くなった人や恋人との別れなどに使う)。







注)スイスの通貨はスイスフランですが、文中では当時のレートで日本円に換算した値を記載してあります